舌切り雀サイドストーリー

子育て

妹が舌を切られて帰ってきた。

妹の名前はおちゅん。

それは綺麗な歌声で、お宿全体を癒してくれていた。

数年前に、外の世界を見に行くとお宿を飛び出した。

そして、やっと帰ってきたと思ったらこんな事に。

憎い。仇はとってやるぞ。おちゅん。

俺は外の世界へ飛び出したんだ。



ちゅん太、捕まる

ヘマをした。

こんな都合よく、道端に米なんて落ちてるはずが無いんだ。

つついたが最後、俺は今、網かごの中にいる。

「お、かかっておるわ。」

誰かがこっちをのぞき込んでいる。

俺はここで捕まっている場合じゃないんだ。おちゅんの仇をとらないと。

「ふむふむ。帝の手土産にと思ったが、どうやら訳ありのようじゃな。」

なんてこった。こいつ俺の思っている事が分かるらしい。

俺は意を決して、事の顛末をコイツに伝えたんだ。

「そうか。では私のもとで修業をするが良い。雀一匹の力では人間相手に苦労するだろうて。」

彼の名はハルアキ。

俺は弟子になっていたんだ。

ちゅん太、鍛える

雀を滝に打たせる奴なんて聞いた事が無い。

動物愛護団体に見つかったらただでは済まないと思う。

何時間こうしているだろう。意識が朦朧としてきた。

「雑念を捨てるんじゃ。さすれば世の真理が見えてくる。」

素麺をすすりながらハルアキは偉そうなことを言う。

取り損ねた素麺が頭にかかってくる。うまい。

ここの滝は竹で出来ている。

そこから、半年が経ち

俺は、陰陽道を極めたんだ。

ちゅん太、見つける

俺は村を転々と回って情報を集めていた。

すると、ある爺さんが1匹のすずめを探し回っているらしい。

そこから、爺さんを見つけるのに時間はかからなかった。

俺は牛飼いに変化して近づいた。爺さんが話しかけてくる。

「そこのお方。舌の無い雀を見かけませんでしたか?」

コイツで間違いない。

妹にあんな仕打ちをしておいて、まだ足りないか。

俺は、牛を洗った桶の水を突き出して睨みつけた。

「おぉ。これを飲めば教えてくださるのか。」

爺さんは俺から桶を受け取ると、ガブガブのみ始めた。

やばいタイプの爺さんだった。

俺は、雀のお宿の方角を指差す。

それから、色々な奴に変化した。

牛、馬、豚、馬、豚、豚、そして牛。

爺さんの腹が蹴鞠の様になった頃、ようやく雀のお宿にたどり着いたんだ。

ちゅん太、間違える。

何てことだ。

お宿に着いたいなや、爺さんとおちゅんは抱き合っている。

間違いない。間違えた。

俺は罪滅ぼしに宴を開いた。

帰りにお土産でつづらを持たせた。大きいつづらと小さいつづら。

爺さんは小さいつづらを選んだ。謙虚な人だ。

中身は、式神を使って集めさせた金銀財宝。幸せになって欲しい。

俺は、爺さんから、おちゅんの舌を切ったのは、隣の婆さんだと知ったんだ。

ちゅん太、誘い込む

思った通りだ。隣の婆さんは爺さんの家をのぞき込むと大慌てで家を飛び出していった。

俺は、再び牛飼いに変化する。

「どこじゃ!?雀のお宿はどこじゃ!?」

礼儀を知らない婆さんだ。それが人に物を尋ねる態度か。

良いだろう。連れて行ってやるよ。

牛、馬、豚、馬、豚、豚、そして牛。

婆さんも、お腹を蹴鞠の様に膨らませ、雀のお宿に辿り着いたんだ。

ちゅん太、仇討ちをなす

せっかちな婆さんだ。

宴を開いてやろうというのに、早くつづらをよこせだと。

まず、貰える前提なのが腹が立つ。

お望み通りくれてやろう。

婆さんは、案の定、大きなつづらを背中に担ぎ帰っていった。

道中の山道。我慢が出来なくなった婆さんは、こみ上げる笑いを抑えながらつづらを開けたんだ。

その笑いが絶叫に変わる。

つづらの中は、俺が集めた下級の魑魅魍魎。

人を食う事はないが、お灸をそえるのはピッタリだ。

泡を吹いて倒れる婆さん。

俺は式神を使って家まで送る。

村では天女を見たと大騒ぎになり、一気に村おこしが進んだ。

世の中何が起こるか分からない。

その後

気分は晴れたが、ひどく疲れた。

おちゅんの舌は戻らないが笑顔が戻った。

俺はずっと仇を討つため、その一心で動いていたが、これからどうしよう。

おちゅんの笑顔を見て思う。

俺は、誰かの笑顔の為、誰かの手助けをして生きていこうと思う。

その方がきっと気分が良いはずだ。

俺に出来る事。

そう思いながら、俺は空をかける。

 

 

ここまで読んでくださりありがとうございました(^▽^)/

ではまた☆彡

 

 

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